『吉祥天』  雲肌麻紙に岩絵の具 30号P             株)秀榮 金子靖彦氏 所蔵


 吉祥天女は、平安貴族の間で広く信仰され、幸福・美・富を顕す神とされます。天女ですので、神であり、仏ではないのですが、未来には如来になるとされています。
 仏教の天部神ですが、菅原道真公の一族も吉祥天女を祀っていたため、天満宮でも祭られています。
  
 西洋でも、人と神の間に存在する『諸聖人』や『諸天使』の存在が信じられてきましたが、人と仏の間、現世の利益と悟りの間に位置するような、この吉祥天も、東洋においてそのような存在なのかもしれません。洋の東西を問わず、異なる世界の境界に立ち、両者をどちらも否定せずに一つに繋ぎとめるような、いわば『仲介役』のようなこうした神の存在は、とても魅力的です。 

 吉祥天は、唐風の衣装を着て表現されます。この絵では、江戸期の吉祥天の唐風衣服ではなく、唐時代の中国の絵に記された衣装を参考にして、描きました。 


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