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徳島県美馬市 藍商佐尚吉田邸(市文化財)内 襖絵
川船 (裏面)
鳥の子紙に墨彩
| 徳島県美馬市脇町に、「うだつの町並み」といわれる、昔の藍商人たちの屋敷が連なる場所があります。その一角に建つ藍商佐尚邸に飾られている襖絵です。二間を吉野川に見立て、その間を仕切る襖の、一方に上流に架かる「祖谷のかずら橋」を、もう片方には、下流で舟遊びをする人達を描きました。 吉野川には、独特の形状の「かんどり舟」という川船があります。『吉野川を描いてほしい』という依頼だったのですが、取材に行った吉野川でその船を偶然見つけ、川ではなく、船を描くことに決めました。船を作っている大工さんのところに取材に行き、実際に作っているところも拝見しました。 絵では、船の上に付ける板をはずし、乗っている人が身を沈めるような形にしました。板の上に座ると、画面上での安定感が得られなかったためですが、十分に取材しないと、なかなかそうした変更をする勇気はでません。良い悪いは別として、描くときは『確信する』または『思いきる』ことが大切だと、思います。絵の取材とは、結局その『思いきる』ためのものなのかもしれません。 |