先日、知人と何気なく話していて、彼が『社会のルール』という意味で『道徳』という言葉を使っているのを聞いて、はっとした。
『道徳』を広辞苑で調べてみると、
ある社会で、人々がそれによって善悪・正邪を判断し、正しく行為するための規範の総体。法律と違い外的強制力としてではなく、個々人の内面的原理として働くものをいい、また宗教と異なって超越者との関係ではなく人間相互の関係を規定するもの。
とある。
しかし、道徳は道の徳と書くし、道には形而上の意味がある。
形而上者謂之道、形而下者謂之器
形よりして上なる者これを道と謂い、形よりして下なる者これを器と謂う (易経)
例えば孔子にとって、道徳は仁と繋がり、それを保証するものは『天』ではなかったろうか。
‥‥もしかすると、現代の日本において“道徳”は、その解釈同様に、形而上性を喪失してしまっているのかもしれない。 |
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